『ライブアライブ』レビュー:複数のシナリオが遊べる、バラエティとボリュームに富んだ超名作RPG!

『ライブアライブ』レビュー:複数のシナリオが遊べる、バラエティとボリュームに富んだ超名作RPG!

たいやき、ホネ肉、てんむす辺りを食べたくなってきました。
せがるきる です。
(あと桃まん・・・じゃな)

スーパーファミコン時代のゲームって、面白いこともさることながら、いろんなアイデアから生まれてきたって感じがいいんですよね。型にハマってないというか、クリエイターが考えた世界を表現するために色々試している風の作品が多かった印象があります。(もちろん今のゲームにもチャレンジ精神を感じるゲームは多々あります)

そんなスーパーファミコン時代、個人的に一番印象に残ってるRPGといったらこのゲームを挙げます。

『ライブアライブ』です。

このゲームを知らなくても、
「あの世で俺にわび続けろ オルステッドーーーー!!!!」とか、
「心じゃよ!」とか、
スクウェア3大悪女のアリシアとか、
知ってる人は知ってるんじゃないでしょうか?

「そうだろ、松ッ!!」

ゲームの特徴

このゲームは1994年9月2日にスクウェアから発売されたスーパーファミコンのゲームです。現在は3DS、WiiUのバーチャルコンソールで配信されています。

世界観の異なる7つのシナリオ

ゲームを始めると、まずはプレイするシナリオを選択します。

原始編、現代編、SF編といった、時代も場所も異なるシナリオから選択できます。
シナリオのボリュームも、サクッと終わるものから、やり込み要素や隠し要素が盛りだくさんのシナリオまで、多種多様です。

シナリオごとに異なるシステム

それぞれのシナリオには特徴があるので、違うシナリオをプレイする度に新鮮な感覚を味わえます。例えば・・・

原始編・・・言葉が無い世界。匂いをかいで敵などの位置を把握できる。
西部編・・・荒くれ者に襲われる町を、制限時間以内に罠をしかけて撃退する。
功夫編・・・奥義の継承者を探し、修行をつけて育てる。

といった感じで、1つのシナリオが1つのゲームなんじゃないかってくらいに凝っています。シナリオ特有の能力を持っている主人公もいます。

癖のあるマス目バトル

戦闘に入ると、戦略シミュレーションのような画面になります。
キャラを動かして攻撃できる範囲へ移動し、技を選択して攻撃します。

ただし、こちらが一歩動けば敵も一歩動く、という形式ではありません。こちらが攻撃あるいは一定以上移動等をすると敵が行動をし始めます。
単純に攻撃で殴り合えばターン制の戦闘のようになりますが、移動できる猶予をうまく利用して陣形を組むことで有利な状況を作ることもできます。

ちょっと文だけじゃ分かりづらいと思うので、実際にプレイしてもらえたらな、と。

全てのシナリオをクリアすると・・・

7つのシナリオをクリアするだけでも、結構なボリュームがあります。しかし、実は7つともシナリオをクリアすると、さらなる展開があるのです。というか、むしろ7つクリアしてからが本番と言ってもいいくらいです。
最後までプレイすれば、7つのシナリオの繋がりが明らかになり、このゲームが名作たる所以を目の当たりにすることになるでしょう。

ちなみに、かの有名な「死んで俺にわび続けろ」も、7つのシナリオクリア後に出てきます。

各シナリオをプレイして

プレイして感じたことを書いていきますが、各シナリオでゲーム性も大きく変わるので、シナリオごとに書いていきます。

原始編

会話の代わりにジェスチャーやシンボルアイコンで意思疎通をしているのがユニークです。言葉がわからなくても、なんとなく何を伝えたいのか分かるのが良いですね。
ギャグシーンやお色気シーン(!)があり、楽しくプレイできました。

戦闘はとっつきやすい部類のシナリオです。
積極的に狩りをしていくことで順序よく強くなっていきますし、アイテム合成で強い武器を揃えることができれば戦闘で遅れをとることはなくなっていきます。

僕が初見プレイしたときに、どうすればイベントが進むのか分からないポイントが複数ありました。ストーリー進行に詰まる人は詰まりやすいシナリオかもしれません。

キャラのやり取りが特殊ながらも、全体的にはオーソドックスなRPGといった感じなので、このゲームに慣れるには丁度いいシナリオだと思います。

西部編

短いシナリオながらも、ちょっとした隠し要素や分岐がちりばめられていて、何度かプレイしたくなるシナリオです。

罠をうまく仕掛けられたかどうかで敵の数が変わるので、効率よく罠を集められれば一番簡単なシナリオになるかと思います。
ちなみに、罠をまったく仕掛けられなかった場合は絶望的な光景が・・・・・・

戦闘はダブルショット使えばなんとかなるって感じなので、西部の雰囲気を味わいながらサクッとクリアできるシナリオです。
ただし、ボス戦でとある攻撃が鬼強くて腰抜かすので、そこは注意、ですね。

功夫編

3人の弟子を育てていくわけですが、実は1人だけを集中して育てたほうが安定します。なので、それが分かってしまうとけっこう複雑な気持ちに。
で、育てる弟子はだいたいレイさんになるんじゃないかなぁ、と。

主人公の老師は強いですが、終盤になるとそれ以上に強い敵が多く現れます。
戦闘面においてはシナリオ序盤で戦い方を把握するか、他のシナリオをプレイしてからの方が良いでしょう。

幕末編

7つのシナリオのなかで、一番やりごたえがあります!

主人公は忍者らしく、隠れ蓑を使って背景と同化したり、かぎなわを伝って移動したりできます。戦闘面も、レベルが上がれば強力な術をばんばん習得していきます。まさに頼れる忍者。

舞台となる城は、かなり迷いやすい構造になっています。どんでん返しを使ったり、屋根裏を通ったり、堀を泳いだり・・・複雑です。からくりで道を阻まれることもあり、道順を把握するのはかなり大変です。

城だけで完結しているシナリオながらも、ゲーム一本を丸々遊んだかのような充実感を得られます!

現代編

敵の必殺技を受けることでその技を習得することができます。ただ、そのために攻撃を耐え続けないといけません。しかも、技を習得できたとしても負ける可能性が高いくらい敵は強いです。
初めてゲームする人が現代編を選んで、あまりの難しさにゲームを投げてしまうケースがあると聞きました。最初にプレイするべきではないでしょう。

シナリオ自体は戦闘だけ、ボス戦のみです。戦闘システムを把握していて、敵をハメ倒せるのであれば一番速く終わるシナリオです。

それにしても、森部のじーさんの奥義が強すぎる。

近未来編

熱い!熱すぎる!
昭和の男ってすげぇ!ってなります!
無法松の兄貴、かっこよすぎる・・・・・・
そして主人公アキラも、負けず劣らず熱い心の持ち主。
全シナリオ中で一番好きな主人公といっても過言ではないです。

アキラは超能力を使うことができ、人々の心をサイコメトリーで読みとることができます。会話したときと心を読んだときのギャップが面白くて、ついつい話せる人全員の心を読んでしまいます。ストーリーを進行させるのに必要なときもあり、このシナリオの肝といえるでしょう。

町中で戦闘すれば強くなることもできますが、実はこのシナリオはうまく立ち回れば弱いままでもなんとかなります。(あまりに弱いと大変なところはあります)
アイテム改造でより強い装備を作ることも可能です。失敗してもアイテムはなくならないので、どんどん改造していきたいところですね。時間がかかるのがネックですが。

熱くて人気のあるシナリオですが、けっこう鬱な展開があったりしてトラウマも植え付けてきます。(ラスボスの設定とか、えぐすぎる・・・・・・)
どこに注目するかで好き嫌いが出そうですね。

SF編

近未来編でトラウマがどうのとか書きましたが、このシナリオこそトラウマの権化です。シナリオ通してほとんどBGM無しなのもあって、途中からメチャクチャ怖いです。もはやホラーゲームです。

主人公キューブは航海中の宇宙船で作られたロボットなんですが、宇宙船の乗組員たちがだんだん険悪になっていき、しまいには事件が発生してしまいます。雰囲気がギスギスするわ、船内を歩き回るのが怖いわで、やってて辛くなってきます。

そんな中で、癒やし(?)といえるのがミーティングルームでプレイできるゲーム「キャプテンスクウェア」です。
ゲーム内キャラで戦闘をしていくのですが、なかなか難易度が高いです。クリアしようとすると大変ですが、軽快なBGMを聞いているだけで心が安らぎます。
・・・もう、ミーティングルームにこもっていたい。

キャプテンスクウェアを除けば戦闘はないと言えるので、話を楽しみたい、雰囲気を味わいたい人にはオススメかもしれません。ただ、間違いなくトラウマは増えるでしょう・・・・・・

そして・・・(ネタバレあり)

7つのシナリオをクリアすると現れるシナリオについてです。

まず中世編。

勇者オルステッドとして姫をさらった魔王を倒しに行く、と定番のようなストーリーから始まります。が、魔王を倒してからどんどんおかしくなっていきます。

魔王倒すのに結構手こずって、やっと倒した!と思ってからの仲間の死。そして裏切り。鬱展開が続き、そりゃあ人間不信になるだろ・・・・・・という怒涛の展開。しまいには姫からあの仕打ち。そりゃつれえでしょ。

ただ、姫の仕打ちは酷いと思いますけど、3代悪女と言われるほどじゃないと個人的には思っています。
助けに来ると信じてたオルステッドが来なくて、代わりに違う人が来て、その人はオルステッドの影で苦しんでたという話を吹き込まれたら・・・世間知らずの姫様ならオルステッドを非難するのは当然の流れじゃないかと。
闘技大会で優勝した人 < 魔王から救ってくれた人 は当たり前じゃないかと思いますね。
そこから最後にブスリは悪女というよりメンヘラ・・・げふん。

そして最後のシナリオ、最終編。

ここで主人公たちが集結するって、テンション上がりまくるじゃないですか!

しかもそれぞれの主人公専用のダンジョンで最強武器が手に入ったり、他のシナリオから持ってきた装備品をつけて強化したりして、さらに強くなれる。それでも苦戦する、やりごたえのある難易度。そしてラスボス撃破後の展開。

最高じゃねーか!

最後の問答もそれぞれの主人公の立場で諭すのが好きで、全員分を見たいと思えます。ちなみに原始編のポゴのやりとりが笑えます。

まとめ

7つの個性的なシナリオを1つのソフトにまとめた本作は、一粒で二度美味しいどころか何度も美味しい作品となっています。
ファイナルファンタジーのような大作RPGと比べるとスケールの小ささは否めませんが、ゲーム中に何度も驚きを提供してくれる本作は是非プレイしてほしいです。
攻略サイトを見ないと全部回収し尽くせない無数の隠し要素もあるので、やりこみ派の人にもオススメですよ!

元はスーパーファミコンのゲームですが、3DSとWiiUで配信もされるようになったので、チェックしてみてください。

・・・・・・

この記事を書いてるときに、「超級!!近未来編」の存在を知りました。
ほ、欲しい・・・・・・(血涙)

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